さくら共同法律事務所

弁護士紹介

荒竹 純一(Junichi Aratake)

昭和31年10月1日生
慶應義塾大学卒・宮崎県出身

経 歴

昭和61年4月 東京弁護士会に登録 さくら共同法律事務所入所
平成3年4月 さくら共同法律事務所のパートナーとなる
平成6年7月 ニューヨーク市コロンビア大学ロースクールに留学
平成7年5月 同大学ロースクールから修士号(LL.M.)を受ける
その後同大学ロースクール大学院に研究生として在籍
平成8年1月 ニューヨーク市のSKADDEN,ARPS,SLATE,MEAGHER&FLOM法律事務所入所
平成9年1月 帰国 さくら共同法律事務所にパートナーとして復帰

業務内容及び経験

1. 訴訟・争訟
2. M&A関連
3. 投資事業(ファンド組成)関連
4. 上場支援
5. 倒産及び事業再生
6. 知的財産権
7. 会社顧問業務
8. その他
9. 受任実績

1 訴訟・争訟

法廷弁護士としての活動に軸足を置き、訴訟の経験の乏しい渉外弁護士との差別化をはかる。そのため、訴訟・争訟活動での経験が豊富。それぞれの分野での経験は、以下の通り。

(1)一般民事関連訴訟

一般民事関連訴訟では、不動産関連、借地借家関連、貸金返還、損害賠償請求(交通事故、医療過誤等)、離婚、相続など一般民事といわれる分野のほぼすべてにおいて事件処理の経験があり、取り扱い件数も豊富。

不動産関連訴訟では、売買の成否や債務不履行が争点となる多数の訴訟を扱う。また、マンションの区分所有法関連の事案も扱っている。

借地借家関連では、借地・借家の解約もしくは更新拒絶の正当事由の存否をめぐる紛争に関する経験多数。法律雑誌掲載事例としては、「建物収去土地明渡等請求控訴事件(借地人代理人)(判例時報1375号)」において、地上げ攻勢をかける地主の自己使用の必要を理由として借地の明渡請求を認容した第1審判決に対して、控訴審において、地主の請求を棄却する逆転勝訴判決を得た事案がある。近年は、サブリース契約における賃料減額請求の可否が争点となる事案を継続して扱っている。

交通事故における損害賠償請求事案では、近年問題化している損害保険会社の保険料不払事案に対しても積極的に取り組む。また、法律雑誌掲載事例としては、「損害賠償請求事件(被害者代理人)(判例時報1342号)」において、頸部捻挫となった被害者が精神的打撃を受け易い人であるため治療が遷延した場合において、保険会社の主張する割合的認定を否定する判決を勝ち得ている。

また、医療過誤関連の法律雑誌掲載事例としては、「損害賠償請求事件(医師代理人)(判例時報1537号)(判例タイムス890号)」において、日本医師会医師賠償責任保険の適用要件につき、日本医師会及び損害保険会社の主張を排斥する判決を勝ち得ている。

(2)保全手続

訴訟手続の前段階としての保全処分(仮差押え、仮処分)の手続にも精通し、訴訟手続において勝訴判決を得るだけでなく、その執行まで視野においた活動を心がける。

また、保全処分手続きを利用した紛争の早期解決を図る手法において経験豊富。労働紛争を原因とする解雇の効力が問題となる事案において、地位保全賃金仮払仮処分などの経験も多数。専門学校が合格通知を出した後に肝炎を理由に当該合格を取り消した事案や大学がセクハラを理由として不当な退学処分を行った事案で、学生たる地位の確認する仮処分などの経験もあり。

(3)会社法関連訴訟

会社法関連訴訟では、敵対的M&Aに関する訴訟に関し、多くの経験がある。国際航業事件においては、株主権行使禁止仮処分申請事件、株主総会検査役選任申請事件、代表取締役・取締役職務執行停止、職務代行者選任仮処分申請事件、株式会社業務財産状況検査選任申請事件、株主総会召集許可申請事件を、秀和株式会社対忠実屋・いなげや事件では、新株発行禁止仮処分申請事件を、ピケンズ対小糸製作所事件では、帳簿等閲覧謄写請求事件を買収側の代理人として取り扱う(これらの事件は多数の法律雑誌に解説・論評を含めた掲載がある)。近年では、外国ファンドによる造船所の敵対的買収事案において、同様な申請事件を扱っている。

また、地方新聞社の違法な株主総会の決議の取り消しを求めた事件では、決議取消の勝訴判決を得ている(第1審判決に関して、金融商事判例1106号、1118号、判例タイムズ1063号、資料版商事法務203号、金融法務事情1603号、控訴審判決に関して、資料版商事法務204号、金融商事判例1118号、商事法務1593号)。また、取締役の解任の有効性や退職金支払義務の存否が争点となる事案、さらに株主代表訴訟なども扱っている。

(4)金商法関連訴訟

金商法関連訴訟(商品先物取引などを含む。)では、証券会社側及び顧客側のそれぞれの立場で損害賠償請求訴訟を扱ってきた。適合性原則違反、違法勧誘、説明義務違反、新規委託者保護義務違反、過当売買、一任売買・無断売買などが争点となる事案が多い。

顧客側の代理人となった事案で、手数料稼ぎと評価できる両建てが顕著な事案において、経済的損失の賠償に加え、慰謝料の請求までも認容する画期的な判決を勝ち得た経験あり。また、証券会社による損失補填の約定を理由とした請求訴訟の経験もあり。

逆に、証券会社側代理人として、多くの損害賠償請求事件を扱い、勝訴判決を勝ち得ている。

(5)税務関連訴訟

税務関連訴訟では、法律雑誌掲載事例として、会社が代表取締役の未成年の子を取締役に就任させ、その役員報酬を会社の経費に計上したところ、国税当局は、実質的には代表取締役であった父親の収入だとしてこれを否認した事案の法人税更生処分取消請求事件(判例時報1474号)において、「国税当局は未成年の子の役員報酬と認めない根拠を具体的に示しておらず、処分は違法」とする判決を獲得し、続いて、上記事件の関連において、国税当局が、会社の代表取締役の未成年の子である取締役に支払った役員報酬について、これを経済的実質から見て父親である代表取締役に支払ったものと認定した事案に対する法人税更生処分取消等請求事件(判例時報1602号)において、父親である代表取締役は、未成年の子に対して役員報酬が振り込まれた預金口座を支配管理し、これにより経済的利益を享受しているものと認めることはできないとして更生を違法とする判決を勝ち得ている。

また、固定資産税の評価額を争う事案において勝訴的和解を勝ち得た事案もある。
現在、重加算税の賦課決定を不服とする訴訟の代理人をつとめている。

(6)名誉毀損関連訴訟

名誉毀損関連訴訟では、故三塚博氏の総裁選立候補の際、マス・メディア対策を担当し、雑誌の事前発行差止を求める仮処分を提起するなどした経験を有する。仮処分の必要性について、憲法が規定する検閲の禁止との関係で出版社側代理人と激しい論争になった。

また、夕刊紙の代理人として、出版社側で多数の名誉毀損を理由とする謝罪広告及び損害賠償請求事件を処理した経験もある。

さらに、特異な事例としては、現職裁判官の訴訟指揮を違法とする損害賠償請求訴訟が提起され、被告となった裁判官が激情のあまり、「因縁をつけて金をせびる趣旨」と答弁したところ、この答弁を名誉毀損であるとして追加的になされた慰謝料請求が認容された事案(第1審は裁判官自身による本人訴訟、判例時報1840号)において、控訴審において裁判官の代理人を務め、ヒートアップの法理などを駆使し、逆転判決を獲得するなどしている(判例時報1856号)。

(7)コンピュータ関連訴訟

コンピュータ関連訴訟では、発注者とシステム・インテグレーター間の開発契約から生じる紛争に関し、多数の事件処理を行った経験を有する。そのうちの2件では、発注者である建設会社と証券会社(いずれも上場会社)と受注者である大手システム・インテグレーター間で数10億円規模の損害賠償請求事件となったが、発注者側代理人としていずれも勝訴的和解を獲得している。

(8)知的財産権関連訴訟

知的財産権侵害の主張案件などでは、その多くを訴訟前の交渉において和解により解決した経験を有する。サッカー選手である中田英寿氏からする肖像権侵害の主張に対し、大手商社の代理人として交渉に当たるなどした経験がある。近年は、プリンターのインクタンクの再生品の製造販売に関して、キャノンやヒューレットパッカードから特許権侵害の主張がなされているが(製造方法によっては侵害となりうることを肯定した知財高裁平成17年(ネ)10021判決あり)、再生品の製造販売事業者の代理人として特許権者との交渉にあたっている。法律雑誌掲載事例としては、「損害賠償請求事件(判例時報1460号)」において、ソウルオリンピックの公式エンブレムに関する商品化権に関し、大手広告代理店がその商品化権の行使を不当に妨げたことを理由に損害賠償の請求を認めた判決を勝ち得ている。

(9)クラスアクション的訴訟

クラスアクション的訴訟として、倒産した証券会社従業員の代理人として、適格年金の制度廃止にともなう残余財産の分配請求訴訟を遂行した。この訴訟は、原告約900名に及ぶ集団訴訟であり、ホームページや電子メールを活用するなどして迅速かつ効率的に原告の主張や証拠の整備及び管理を行った。

(10)刑事事件

刑事事件では、マス・メディアで報道された事件としては、ゴルフ場開発に伴う市長に対する贈収賄事件、衆議院議員(閣僚経験者)の妻による買収が問題となった公職選挙法違反事件、自治労の幹部が業務上横領等に問われた業務上横領事件、新設会社が2年間は消費税の支払義務が免除される特例利用の違法性の有無が争点となった消費税法違反事件、覚醒剤の北朝鮮密輸ルートの摘発後新たな中国ルートが摘発された事案であった覚醒剤取締法違反事件の弁護人を務めている。これ以外にも、私文書偽造事件、道交法違反事件、強制猥褻事件、迷惑防止条例違反事件、覚醒剤取締法違反事件、暴行・傷害事件など多くの刑事事件を取り扱っている。

2 M&A関連

M&Aの取扱に関する経験が豊富。
前述の通り、1980年代後半の著名な敵対的M&A事件である国際航業事件、秀和対忠実屋・いなげや事件、ピケンズ対小糸製作所事件の全てに買収側代理人として関与し経験を積む。以来、技研興業株式会社(東証2部)においては買収側代理人、その他多数の上場前企業において買収側及び被買収側代理人を務める。なお、技研興業は、国際航業についで敵対的買収が成功した2番目の事例である。あまりマスコミ報道がされなかったために知られていないが、技研興業の買収者側が委任状争奪戦を挑み、大株主の賛同を得てこれに勝利して取締役に就任し、正常な形で経営に参画した。近年では、外資系ファンドによる造船所に対する敵対的M&Aの買収側代理人として活動している。買収者側が委任状争奪戦を挑んだ平成17年度の株主総会においては、買収側代理人として現経営陣との経営方針に関しての論戦に臨んだことと、会社側が投票の結果が僅差となることを予想し書面投票を行ったためにその集計に時間を要したことで、上場会社の中で最も長い4時間30分のロングラン総会となった(資料版・商事法務2005年7月号145頁)が、その内容は非常に充実したものとなった。

また、ドラッグストア間のM&Aにおいて、買収者側代理人をつとめ、当初は経営陣が買収を拒否したため敵対的TOBに着手し、その後交渉により賛同意見を得て、買収に成功した事案もあり、この件はさらに、被買収会社を非上場とするために、スクイーズアウトにより少数株主の株式を消滅させるなどの手続きを行った。

友好的M&Aにおいては、多くのデュー・デリジェンス(D・D、法務監査)の実施経験がある。対象会社は、化粧品会社、ゲーム・メーカー、菓子メーカー、アパレル、レストラン経営会社、レコード会社、ドラッグストア、旅行代理店、病院、学校法人など多岐多数に及んでいる。

3 投資事業(ファンド組成)関連

バイアウト・ファンド、企業再生ファンド、ベンチャー・キャピタル・ファンド、不動産ファンドなどに関して取り扱い経験を有し、ファンドの組成から出口まで、ファンド契約書や目論見書の立案・作成業務、法的規制や法的問題に関するアドバイザリー業務、会社買収時におけるM&Aに関する業務、不動産投資時に必要な契約書の立案・作成業務などを行っている。

4 上場支援

ベンチャー企業の上場支援も積極的に行っている。

これまでに支援に関与したベンチャー企業は数十社になるが、そのうち2社が上場を果たし、近く1社が上場予定。さらに、来年、1社が上場予定。ベンチャー企業は管理部門がどうしても手薄であり、幹事証券会社及び取引所から管理部門の充実を図るように指導を受けることになる。こうした需要に応えるべく、支援作業に積極的に取り組んでいる。

また、上場後に備え、株主総会の運営指導、IRに関する助言、株式管理及びインサイダー取引を防止するための内部統制制度の確立に関する助言も行っている。

5 倒産及び事業再生

倒産及び事業再生に関する経験も豊富。

倒産企業の清算を目的とする清算型では、破産、特別清算、任意整理などの方法で多数の企業清算を行う。カネボウの繊維部門を担ってきたカネボウ合繊株式会社の清算人として清算業務を行った。以前は、裁判所の選任に係る破産管財人も引き受けていた。

事業再生を目的とする再建型では、民事再生法の施行前は、大企業の場合は会社更生、それ以外は和議により多種多様な事業体の事業再生を行った経験がある。和議法は民事再生法に比較して多くの欠陥を抱えた法律であったために、和議開始の申立及びその後の資金繰りを含めた営業の継続に関しては特別なノウハウを必要とし、裁判所から開始決定を得るために申立代理人である弁護士が孤軍奮闘するのが常であった。そのような中で、一般の事業会社に加え、広島のベンチャー企業であったコンパイル(ゲームソフトぷよぷよで一世を風靡)の和議を成立させ、また沖縄の病院、都下の学校法人の和議などを成立させた経験をもつ。民事再生法施行後も、和議の時代に培ったノウハウを最大限駆使して事件処理を行っている。民事再生法適用事件としては、ゴルフ場運営会社、アパレルメーカー、ガソリンスタンド運営会社などの申立代理人を務めている。

また、近年は、事業再生においてM&Aなどを活用してスポンサー企業を募る手法が確立しているが、こうした事案についても、スポンサーサイドの代理人として多くの交渉に当たった経験も有している。この中でも、民事再生の申立を行った洋菓子のヒロタ(シュークリームメーカーの老舗)を買収した21LADY株式会社(買収時未上場)が、洋菓子のヒロタを立て直すとともにその事業を主力事業として買収1年後に上場を果たした案件は、再生会社の上場案件として注目を集めたが、買収とその後の上場に関する法律部門のアドバイザーを一貫して務めている。

6 知的財産権

知的財産権関連では、著作権の権利処理を目的とする膨大な量のライセンス契約の立案、作成、検討に関する経験がある。その種類も、コンピュータ・ソフトウエア、データベース、コンピュータ・グラフィック、ゲーム、地図など多岐に渡る。また、数十頁になる大規模システム開発契約(システムインテグレーション契約)も多数の立案、作成の実績あり。

尚、この分野では、東京商工会議所、業界団体、セミナー主催会社などで頻繁に講演活動を行い、著作も多い。著作権法の研究の集大成として、「ビジネス著作権法」(産経新聞出版)を上梓。「ビジネス著作権法」における引用判例を掲載したホームページ(http://www.netlaw.co.jp)を開設。

7 会社顧問業務

数十社の企業と顧問契約を締結し、企業の法律問題全般に関する法的アドバイスを行う。

8 その他

上場企業を含めた株式会社の監査役を務めている。サービサーに必須となる弁護士取締役の経験もあり。
特定商取引法を厳格に遵守した連鎖販売取引事業の立ち上げ、及び大手連鎖販売取引事業者のアドバイザーを務め、またインターネット関連の多くの通信販売事業者のアドバイザーを務めた経験があるため、特定商取引法に対する理解が深い。
フランチャイズ・ビジネスに関しても経験多数。
個人情報保護法、IT関連法についても精通している。

9 受任実績

【上場会社】

株式会社コア、株式会社プロパスト、グローウェルホールディングス株式会社、21LADY株式会社、株式会社電通、株式会社山田債権回収管理総合事務所、イマジニア株式会社、JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社、株式会社アドヴァン、岡谷鋼機株式会社、伊藤忠商事株式会社、兼松株式会社、三菱商事株式会社、兼松エレクトロニクス株式会社、株式会社ダイエー、みずほ証券株式会社、澤田ホールディングス株式会社、株式会社毎日コムネット、国際航業ホールディングス株式会社、大東港運株式会社、株式会社昭文社、株式会社エイチ・アイ・エス、株式会社CSKホールディングス、住金物産株式会社

【地方公共団体等】

宮崎県(東国原知事)、港区、三塚博

【海外】

ハイチ共和国、ロイター通信社、ドイツ銀行、クレディスイス銀行、アラブ首長国連邦エミレイト航空、ニュースキン