法律紹介コラム

LAWYER COLUMN

第2回~特商法

こんにちは、さくら共同法律事務所の弁護士、髙野裕之(たかのひろゆき)です。
法律紹介コラム第2回は「特定商取引に関する法律」、通称「特定商取引法(特商法)」です。
この法律は、名前の通り、法律が規定する「特定の商売」について、専ら買い手となる消費者側の利益を保護することを目的として、勧誘や広告、取引成立時のルール等について規定する法律です。
「特定の商売」とは、訪問販売、電話勧誘販売、通信販売、連鎖販売、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売、訪問購入の7種類の取引を指します。
連鎖販売や業務提供誘引販売など、あまり耳なじみのない取引形態も含まれていますが、さすがに通信販売で物を買ったことがないという人はいないでしょう。
Yahoo!ショッピングや楽天市場、Amazonのような大手通販サイトを利用する場合もあるでしょうし、売り手の事業者自身が開設するインターネットサイトから商品を購入する場合もあると思います。
このような通販は、全て「通信販売に係る取引」として、特商法で規制されているのをご存じでしょうか。たとえば、通信販売で商品やサービスの広告をするときは、代金の支払時期や方法、商品の引渡時期等の取引の条件をきちんと明示しなければなりません。
ちなみに通信販売の場合、返品ができないことを明示していない場合、8日以内であれば自由に解約できるということを知らない事業者や消費者も少なくないのではないでしょうか。また、皆さんがインターネットサイトで商品を購入しようとする場合、そのサイト内にほとんど必ずと言ってよいほど「特定商取引法に基づく表記」という部分があることにお気づきと思います。たまに中小企業や個人が売り手のサイトでこの「特定商取引法に基づく表記」を掲載していない業者がありますが、明確な法律違反です。いくら商品価格の安いサイトを見つけたとしても、この「特定商取引法に基づく表記」を掲載していない業者から商品を購入するのは、私はリスクがあると思います。

昨今は月額や年額の料金を支払って商品やサービスを継続的に利用するサブスク契約をして動画配信サービスなどを楽しんでいる方も多いと思いますが、入会は簡単でも解約の仕方が分からない、そもそも解約ができないといったトラブルやクレームが頻発し、これに対して特商法のルールでサブスク契約の申込みを受ける場合のルールなどが細かく決められています。従って、サービスを提供しようとする事業者としては、気軽にサブスクサービスの申し込みを受け付けたりすると思わぬところで法律違反を犯している可能性がありますので注意が必要です。
通信販売以外でも、エステや医療脱毛、語学教室などのサービスを継続的に受ける場合、特定継続的役務提供として特商法で規制される取引形態となります。また、たとえば自宅のリフォームや水回りの修理工事などはお店以外の場所(たとえば自宅)で契約を締結することもよくありますが、訪問販売として同じく特商法で規制される取引となります。そして、特商法に違反した場合、業務停止命令を受けたり、刑事処罰を課せられるなど大きなペナルティを受ける可能性があります(景表法の違反と同じく公表されます)。また、民事的にも引き渡した商品が戻ってこなくても、あるいは提供済みのサービスについて無条件で全額返金しなければならなくなったりと、事業者にとっては踏んだり蹴ったりの状況に陥ることも珍しくありません。

特商法は事業者にとってはかなり厳しい法律ですが、恐らくかつてひどい悪徳商法を行ってきた業者が沢山いて、消費者が被害を受けてきたということなのでしょう。
真面目に商売をしている大半の事業者にとっては余計なお世話かもしれませんが、前述の通り、通信販売を行う事業者であれば必ず関係しますし、勧誘の仕方や契約の場所によっては気付かないうちに前述の「特定の商売」に該当していることもあります。うっかり特商法違反を犯していたということがないよう、十分にご注意下さい。

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