法律紹介コラム

LAWYER COLUMN

第3回~個人情報保護法

こんにちは、さくら共同法律事務所の弁護士、髙野裕之(たかのひろゆき)です。
法律紹介コラム第3回は「個人情報の保護に関する法律」、通称「個人情報保護法」です。
知らない業者から携帯や自宅に商品やサービスの購入を勧める電話がかかってくることがしょっちゅうありませんか?連日のように個人アドレス宛に広告メールが届きますし、挙句の果てに個人情報を抜き取ろうとする目的での詐欺メールも大量に送られてきます。甚だ迷惑な話ですが、電話番号もメールアドレスも全て個人情報ですので、誰かがどこかで私の個人情報を外部業者に伝えているか、あるいは漏洩した個人情報が悪徳事業者の間で出回っている可能性が高いのでしょう。最近では、大手企業がサイバー攻撃を受けて、保有する個人情報が何万件、何十万件と漏洩したというニュースもよく目にします。

個人情報保護法は、個人情報の適正な取扱いに関し、国や地方公共団体の責務を明らかにすると共に、個人情報を取り扱う事業者や行政機関が遵守すべき義務を定めることで個人の権利利益を保護することを目的とする法律です。その上で、たとえば個人情報を取得した際には、その利用目的を本人に通知、公表するべきことや、保有する個人データ(個人情報をデータベース化したもの)を第三者に提供する場合には、予め本人の同意を得なければならないこと、個人情報の漏えいを防ぐために所定の安全管理措置を講じなければならないことなどを規定しています。
あれ?と思った方も多いと思います。そんな法律があり、利用目的の通知や本人の同意取得が事業者の義務であって、漏えい防止のための安全管理措置を講じているにもかかわらず、どうして毎日のように知らない業者から連絡があり、詐欺メールが横行しているのだろうと思いますよね。その疑問、全くその通りだと思います。

私は顧問弁護士業務などでよく、会社が保有する顧客情報の活用方法~専ら提携会社やグループ会社間での共有、利用目的の変更、追加に関するものが多いですが~についてのご相談を受けることがあります。そして、そのような提携会社やグループ会社間での顧客情報の共有や、利用目的の変更や追加は、個人情報保護法のルールを遵守しながらも比較的簡単な方法で可能なのです。顧客情報の共有は、会社のプライバシーポリシーにグループ会社間で共同利用する旨を含む所定の事項を明記することで可能ですし、利用目的の変更や追加についても同じくプライバシーポリシーで公表している利用目的の内容を一定のルールに従って変更することで可能です。どうりで個人情報を提供した先とは別の、聞いたこともない業者から勧誘の電話やメールがバンバン届くはずですね。加えてこれだけ個人情報の漏えい事件が相次いで起きているわけですから、もはや個人情報が私たちがコントロールできる範囲で適切に取り扱われているなどと考えること自体、土台無理な話です。

こう言ってしまうと個人情報保護法があっても意味がないという身もふたもない話で終わってしまいますが、個人情報保護法自体は法律の制定から3年ごとに見直しがなされ、改正の都度、事業者は漏えい防止のための高度の安全管理措置を求められるようになり、違反に対する罰則も厳しくなってきています。ですので、個人情報を扱う事業者にとって軽視して構わない法律ということは全くなく、むしろきちんとフォローして法改正にも対応した社内ルール作りをしないと思わぬところで足元をすくわれかねません。最後に、個人情報を提供する側として日頃気を付けるべきことは、①クレジットカード情報を含む個人情報を入力した場合のIDとパスワードの管理を徹底すること、②メール(各種SNSを含みます)や電話による第三者からの要求に従ってクレジットカード情報の入力を含む個人情報の提供をしないこと、③世の中に楽して稼げる儲け話はないと常に心しておくこと、ですね。

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